もうすぐ2世代落ちになりそうなXoaomi 13 Proレビュー&ROM探し

2024-05-10ガジェットAndroid端末,ROM焼き,スマホレビュー

 今年に入ってからすぐにXiaomi 13 Proを購入しました。2023年には8gen2なんて夢のまた夢だったのですが、GT Neo5を売却した後に次の端末を探していたところ、メルカリで8万円台前半で出品されているのを見つけて、HyperOSのBLU問題にも促されて衝動買いしてしまいました。去年だったらスマホに8万なんて考えられなかったんですが…。慣れは怖い。12 Proは同じ期間でも、もう少し相場が下がってたと思うのですが、8gen2はそれほど評価が高いんでしょうね。記事としては消費期限切れでしょうが、もしこれから買う人がいれば。

軽くスペックとか

 他の記事でも散々取り上げられているので軽く。スペック上は国内のプラチナバンド対応です。

ハイエンドでUSB2.0なところ以外は1型センサが流行した2023(厳密には22)年のハイエンドとしてはスタンダード仕様ですね。正直カメラの映りはメーカーのチューンの側面が強い気もしますが。

SoC Snapdragon 8 Gen2
RAM/ROM 12/128GB(LPDDR5X/UFS4.0)
ディスプレイ 1.5K/LTPO120Hz
カメラ

メイン:50.3MP f1.9 23mm 1″ OIS

望遠:50MP f2.0 75mm  (テレマクロ対応)

超広角:50MP f1.2 14mm 115°

フロント:32MP f2.0 22mm

バッテリー 4820mAh
インターフェイス USB2.0

使用感

 この機種以前のハイエンドはまだMiシリーズだったころのMi 10 Ultraぐらいしか触ったことないんでLeicaの監修、LTPO、横幅の2/3を占めるレンズ()などの最先端の仕様が初めて尽くしで感動だらけです。こと、うわさに聞いていたバッテリーの持ちについてですが、私の用途では20-85%の間で使用したスクリーンタイムが5,6時間くらいでした。中古っていうのもありますが、Battery Guruなどでは90%以上の容量があったので正直こんなものかなと思ってしまいました。とはいえ、バッテリーが5000mAhないことを鑑みれば8Gen1よりは格段の差ですね。

カメラ

 カメラは、Leicaのビンテージ風の色味がかなり癖に刺さってしまい、珍しくもないものでもいろいろなものを毎日撮りまくってます。また、テレマクロは、ボケが夜景は、他社のハイエンドと比べなければよく撮れていると思います。ほかに気になるところとして、Xiaomiは直す気がないんでしょうが(あるいはハードの問題)、メインのレンズと望遠レンズの色味がかなり違います。ほかのレビューでは聞かなかった話なので正直驚きでした。以下、素人の作例です。

コンテンツ鑑賞

 最近のハイエンドなのでリッチコンテンツに対してはもう文句はないですね。(これについては2年前くらいからだいぶ高水準だったからなあ…)最近のトレンドのDHR動画の高輝度は、一応仕様上ピークで1900nits出るみたいですが、消費電力にうるさい身なもので、逆に高輝度は電池食うのでオフにしてます。また、スピーカーは、低音は並みですが音の広がりがいい感じで、自分の使用頻度が低めなゆえ、たまに聞いて驚かされるということがよくありました。イヤホンに関してはSoCと統合のDACなので、特に印象はなかったです。わざわざ変換噛ませてまで有線イヤホン使うなんてこと無いでしょうが。

ユーザビリティ

 わかりきっていたことですが、MIUI(HyperOS)は正直メインで使う気にはなれませんでした。UIは別にいいんですが、通知が再現性100で遅れるので、余程のスマホ依存でずっと開いているくらいでないとLINEなどには使えないです。root化してLSPosedモジュールを入れたり、カーネルいじったりと、あらゆる手を尽くしたつもりだったのですがこればっかりは無理でした…Xiaomiはタスクキルが美徳だと思っているのでしょう。ランチャーでのカスタマイズをはじめとするギミックは結構面白いので、サブ機と割り切ってしまうならアリですね。

中国ROMにあらゆるカスタムを加えた図

ROM探し 

選定基準

 まず前提としてハイエンド端末は開発者の数的にもカスタムROMが少ないです。

 基本的にカジュアル用途なので、重視するのはバッテリーの持ちと、通知の安定性、FOD(画面内指紋認証)の安定性です。なので初めは、MIUI派生のROMで通知がまともなものはないかを探しました。当時は記事にすると思わなかったのでスクショはほぼないです。

Xiaomi.eu

https://sourceforge.net/projects/xiaomi-eu-multilang-miui-roms/files/xiaomi.eu/HyperOS-STABLE-RELEASES/HyperOS1.0

 1番有名なやつ。どうやら独自のカスタムでMIUIの最適化をなくしているようで、MIUI関連の問題を軽減していると謳っています。ところが、私が試したときは、そのカスタムがバッテリー持ちに悪影響を与えているようで、11~2%/hourくらいの消費でもりもり電池を食う(もちろんARTキャッシュは最適化済みです)ので諦めました。カスタムされていても通知の遅延は改善されておらず、少し中途半端に感じてしまいました。

Elite MIUI

https://www.elitedevelopment.com.pk/p/elite-roms-plus-for-poco-f1.html?m=1

 パキスタンで開発されている中国ROMベースのROM。ちょっと前までは日本語非対応だったのですが、最近全言語に対応したようです。有料版のNextGenと無料版のLiteがあります。有料版は$8で10回のアップデート(Telegramのチャンネルに招待される)ですが、ステータスバーのすべての項目の配置をいじれるなど、かなりカスタマイズの幅が広いので、人によっては手間と金をかける価値を見いだせると思います。残念ながら、通知の遅延は改善されていませんでした。

中国版ROM

https://xmfirmwareupdater.com/hyperos/nuwa/

 余分なアプリを削除してAndroPlusさんのMagiskモジュールとLSPosed(最近開発が終わってしまいましたね…)モジュールを当てれば、常用は十分可能です。公式の強いところは、アップデートが早いこと、性能重視な用途の場合、恐らく最大性能を出せることくらいしかありませんが、何となく自分の手でカスタマイズしている感を味わえて愛着は湧きます()あと、当然通知は何をやっても遅れます。

 やっぱりMIUIベースって時点でどうしても通知はどうにもなりませんね。自分が試したのは、よく言われる方法に加え、LSPosedモジュールの電源周りのオプションを調整する、powerkeeperを削除、MIUIの最適化の無効化、カーネルのメモリ周りをいじる、アプリのメモリ使用制限を削除、最近のアプリから非表示などあらゆる方法を試したつもりですが、何をやってもアプリを開くまでだんまりでした。ここまでタスクキルをするくせして、バッテリーの持ちは、AOSP系のROMに負けているのがなんとも気に食わないです。

AOSP

 ここからAOSPを探し始めました。この機種、Xiaomiの公開するカーネルソースがイカれていて、開発者の方々も苦戦しているようです。特に、FOD(画面内指紋認証)はどのROMでも不具合が起こってしまっています。あと、これはカスタムROMであるゆえ仕方ないことなのですがLTPOの恩恵が小さくなります。最低で24Hzにしか下がらないので、1Hzの表示はMIUI上でしか見られないです。

 AOSPのROMはTelegramのチャンネルでアップデートの通知を受け取ると便利です(それ以外に経路がないROMもあります)。https://t.me/xiaomi13proupdate

AOSPA

https://paranoidandroid.co/nuwa

 CLOベースの歴史あるROM。この機種だとこれが第一候補で、実際普段使いに文句は一切ないです。余談ですがCLOベースのROMは、magiskモジュールでAptx Adaptiveを有効化できます。何気に接続安定性において結構なアドバンテージ。

 カスタマイズはステータスバーの秒数やアイコンパックなど、必要最低限のものが揃ってます。3本指スクショや音量ボタンでの音楽スキップなどが初期で使えるのはいいですね。細かい話ですが、サイレントモードのショートカットキーにサイクルスルーというのがありました。多分AOSPA独自のものかな?

PIPS CLO

 IPSBHANGUさんの独自ROM。ベースはCLOなので結構AOSPAと似通っているところがあります。この2つは単純に安定性や好みで決めるでいいと思います。Official版のAOSPAよりかは多少カスタマイズができます。

その他LOS系

 もうROM焼きが落ち着いてしまった後だった私は試せていませんが、最近IPSBHANGUさんからLineageOSとCrDroidが出ました。特にCrDroidはカスタマイズと安定性のバランスがいい印象があるので今度時間があったら試してみようかな。

結果

 実にROM選びに3か月くらいかかってしまいましたが、現在私が落ち着いた(繰り返す初期化に疲れ果てた)先はAOSPAです。安定して通知を受け取れ、不具合もFOD以外の部分では無く、AOSPの中では最も安定している印象でした。カスタマイズについても、別でiconifyPixelXpertを入れて大半の人は満足できると思います。この2つのアプリ、他のカスタムROMがオーバーレイのアプリでやっているUIの調整(プログレスバーやボタンのデザインなどまで)を後付けでできる超有能アプリです。PixelのストックROMなどでも使えるのでrootとってる逸般人の方々はぜひ。

 この機種を使った感想としては、前世代と比較したら飛躍的なバッテリー持ち、カメラも1型センサやテレマクロを積んでいて当時としては他機種との差別化がうまくできた機種だなあと感じました。大陸版で簡単にBLUできる最後のハイエンド端末なので遊び倒そうと思います。